地図

地図とは何でしょう?

そもそも地図とは、山や川、海などの自然物や、畑や建物などの人工物など、地上にあるものを、数値・記号・文字・線などを使って紙などの平面上に表現したものをいいます。
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地図は地上にある立体のものを、紙などの平面上に数値や記号・文字・線などで表現したものです。
しかし、地上にあるすべてのものを、限られた平面に表現することはできません。
そこで、地図はまず、縮尺して限られた範囲内に、地上の特定の何かに偏ることなく平均的に表現する「一般図」を作成します。
さらにその一般図を基礎に、土地利用や人口・交通など特定の主題について詳しく表現した「主題図」が作成されます。


藤沢市文書館で所蔵する地図

当館では、藤沢に関するさまざまな地図を収集しています。大きく分けると3つの分野があります。 藤沢市が作成する「都市計画基本図」、国土地理院が作成する「基本図」、かつて土地の所有関係を管理するために使用された通称「旧公図」です。


都市計画基本図

藤沢市が作成した、藤沢市の表現するもっとも基本的な地図です。藤沢市全域が35枚の地図で表される巨大なものです。縮尺は1/2,500と大縮尺です。


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都市計画基本図の作成方法は、まず空中写真を撮影して写真測量を行うことで図面化し、現地調査を行って補足します。
藤沢市で都市計画基本図を初めて作成したのは1955年で、以後1966年頃 1970年 1978年 1983年 1988年 1994年 2000年 2005年に作成されて、作成の頻度はおおよそ5年に1度となっています。
残念なことに、藤沢市文書館では1955年・1978年・1983年については35枚すべてが揃っていません。
また、都市計画基本図は、「都市計画法施行規則」第9条第2項に「法第14条第2項の計画図は、縮尺1/2,500以上の平面図(かっこ内中略)とするものとする」と定められることを根拠の作成されるものです。ですので、厳密な意味で都市計画基本図と呼べるものは、法施行後に作成された1970年以降のものになります。
都市計画基本図は、特定の地点について詳細に知りたい場合に適した地図です。
藤沢市の全体を一覧するための地図も作成しています。「藤沢市全図」「藤沢市南北図」がそれです。いずれも「都市計画基本図」を縮小して貼り接いだもので、「全図」は藤沢市を1枚の紙に納め、「南北図」は藤沢市を南北に2分して納めたものです。
また、一般図である「都市計画基本図」をもとに様々な主題図が作成されています。
代表的なものは「都市計画総括図」で、藤沢市全図に、藤沢市の都市計画内容(土地の地目や道路計画など)を記しています。


基本図

日本の地図のうち最も基本となる地図を「基本図」といいます。 基本図は、国土地理院(国の測量機関)が作成したものです。 地図として表記する数値・文字・線の記載方法や記号を統一し、日本全土に渡って体系的に作成されています。 数年ごとに修正され、最新のものは大きな書店などで販売されています。
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「基本図」は、日本を一定の基準に基づいて分割して作成していますので、藤沢市が1枚の地図に収まっているわけではありません。
では、藤沢市を見るには、どの地図を見ればいいでしょうか?
1/200000地勢図の場合、地図の名称は「東京」と「横須賀」
1/50000地形図は、「藤沢」と「平塚」
1/25000地形図は、「藤沢」と「江ノ島」。若干「座間」・「戸塚」・「鎌倉」にもかかっています。
なお、一番古い基本図は、「迅速図」というシリーズの「藤沢駅」「江ノ島」で、明治16年(1883)に作成された1/20000の地形図です。


旧公図

旧公図とは、明治時代に「地租改正地引図」として作成されたものを基礎とし、土地台帳の付属地図として土地の売買の結果生じた分筆や合筆を市役所において順次修正したものです。 土地の所有関係を明らかにする証拠として、今でも参照されことがあります。
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地形図ではありませんので、一般的な地図のように等高線や施設・交通機関等の表記はなく、区画と地番のみが書き入れられているだけです。 現在では厳密な測量で作成する「地図」が整備され、旧公図の法的な効力は基本的には失っています。 法務局にも旧公図はありますが、藤沢市文書館で所蔵する旧公図とは全く同一ではありません。 藤沢市文書館で所蔵する旧公図は、昭和33年に複製したものです。


画像は「土地宝典」です。
旧公図と同じように、土地の区画と地番のみを記し、土地の権利関係を明らかにするために活用されたものとしては、「土地宝典」(反別入図という場合もあります)があります。
藤沢町や六会村といった旧村ごとに作成されており、作成年代もそれぞれ異なっています。藤沢市文書館で所蔵しているものは、昭和初期のものが主です。
地番だけでなく、区画の地目と面積や、公共施設や寺社などが書かれている場合もあります。


参考図書
大竹一彦『2万5千分の1地図』(古今書院 1990年)
佐藤甚次郎『明治期作成の地積図』(古今書院 1986年)
国土地理院HP ( リンクは当サイト内のリンクページにあります。)